重田会長・圓句造形師 「銀貨の誓い」特別メッセージ(完全版)

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2024年、年初のドルフィーブログを掲載するにあたり
このたび能登半島地震にて被害に遭われた皆様へ、心よりお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

ボークス ドール企画室


本記事は2023年の12月に掲載いたしました「銀貨の誓い 20周年」特別インタビュー(ダイジェスト版)を、ドルパ50アフターイベント開催にあたり完全版として掲載するものです。

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ボークス 重田英行 会長(右)
造形村 造形師・圓句昭浩(左)
(2023年12月 撮影)


特別メッセージ
~ 銀貨の誓い 20周年にあたって~

ボークス 会長 重田英行

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 スーパードルフィーによる奇跡の物語「銀貨の誓い」がこの世に出現した当時、まだまだ人形趣味の世界では、それらは調度品としての性格が大きく、人形とは飾って楽しむのが一般的というものでした。

 そんな世界に私たちは、ドールそのものに性格や役割、そして物語となるものを与え、オーナー様達とともに、ドール趣味というものを深く大きく楽しんでゆくという価値観の表現として「銀貨の誓い」を創作いたしました。

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SDGr男の子 Williams ~The Diligent Scholar~

 それはもう一つ、ごく身近な日常の存在として「東京少年物語」があり、この二つの物語は、時に一対の出来事、つまり登場人物たちへの共鳴や共感という感情の移入が、物語が進むにつれて大きく激しいものに成長してゆくというものでした。

 「銀貨の誓い」ははるか中世の大航海時代に舞台を移し、雄大な大海原を背景に片や海賊の首領ともう一方の貴公子との戦いに汗と涙、そして恋愛感情がもつれて物語は進んでゆきます。
 また「東京少年物語」では、まるで昨日出会った仲間たちとの友情や愛、時には誤解や後悔が織りなす甘酸っぱい物語が次々に展開してゆくことになります。

 両者とも、オーナー様の現実の生活にはありそうもないことの連続ですが、これこそドールだけが持つことのできる、人としての喜怒哀楽の表現を「もう一人の私」として想いや願いに表すことができるということなのです。

 セシルやウイリアムズが主人公として生き生きと活躍をする一方、それはオーナー様の心にも激しい感情の波や喜びの心を呼ぶことになるのです。

 奇跡のドール達が、奇跡の物語の世界にオーナー様を誘ってゆく。
それはSDオーナー様にだけ許される奇跡の特権ということができるでしょう。

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SD13女の子 Elizabeth ~Destiny's Guardian~

 まるで本当にウイリアムズがこの世に居たかの様な実在感と高揚感は、この作品が登場したその当日から、今もいささかも陰ることなく私の目の奥底に存在しています。

 時にSDオーナー様達だけが享受することができたあの「ドールズ パーティー」の特設会場には、見事な衣装に身を包んだ美しいドール達の大展示に、どれほど感動し、興奮を覚えたことでしょう。

 時空を越えて、数え切れないほどのSDオーナー様たちと過ごしてきたこの20年を振り返り、「ドールズ パーティー50」の会場では、「銀貨の誓い」の特別企画として、2024年開催の「SDオーナーズ感謝祭 in 東京湾クルーズ」が発表されました。

七年ぶりのクルーズとなります。 過去には東京湾、そして神戸湾で開催いたしました。
どちらももしドールが導く世界が無かったとしたら、クルーズ船の甲板でそよ風に吹かれながら語らうドールオーナー様の姿はお一人もおられなかったことでしょう。
船上の仮面舞踏会では、オーナー様が着飾った姿でこれからどんなことが起こるのだろうと 胸をときめかせていた、そんなこともこの地上にありえなかったことでしょう。

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私は紙ひとつ、粘土ひとつ作りだすことはできません。
粘土からドールが生まれ、実際に存在するということはまったく当たり前のことではありません。
そんな稀有な存在であるドールを中心として、ドルパやクルーズに本当にたくさんの方たちがご参集される。
それは全く奇跡のようなことで、ドールの世界におられるオーナー様が私たちから見ても羨ましいほどです。

ドールの世界は永遠に続いています。
衣装やシチュエーションを変え、仲間を増やし、オーナー様の手で整えてあげることによって、永遠に生きていきます。
そして何十年と時が経っても、ドルパやクルーズでドールと過ごした思い出は色あせません。

私がドルパでお菓子を配り始めた最初の頃、受け取ってくださったのは2~3名の方だけでした 。そのお客様のお顔を今でも覚えています。
きっと今回のクルーズでも、皆様の胸に忘れられないできごとがたくさん起こることでしょう。

皆様の健康と、SDという奇跡のドールとの生活を心ゆくまで楽しんでくださいます様に。

重田英行


特別インタビュー

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<圓句 昭浩(えんく あきひろ)>
造形村 所属。ガレージキットやフィギュア作品で数々の名作を手掛けたのち、最初のスーパードルフィー SDキラ、サラ、ナナ、めぐ達を生み出す。
造形村ウェブサイト-会社案内 https://www.zoukeimura.co.jp/company.html

─ 今回のウィリアムズですが、「SD13男の子 ウィリアムズ」との違いはどういった部分でしょうか。

 スーパードルフィーもアップデートを繰り返し、様々な構造の変化があり、お客様の需要も変わりました。
たとえば自動車でも、その車の持ち味を保持しながら、求められる機能を満たすためにアップデートが絶対必要ですね。
今回のウィリアムズも顔立ち(ヘッド前面の表情の部分)は変えずに、ヘッド内部など構造的な部分を改良しました。

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 表情の部分としては、スーパードルフィーは手作りで造形しているので、わずかな左右非対称の部分があって、右から見た時と左から見た時で雰囲気が変わります。
そのわずかなニュアンスがウィリアムズのキャラクターを醸し出していて、角度や光の具合によっていろんなストーリーが生まれていくのだと思います。

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SD13男の子 Williams

─ そして今回、設定上で名前が明かされていたものの謎の存在だったウィリアムズの妹、エリザベスがついに登場しました。彼女のヘッド造形について教えてください。

 エリザベスは「銀貨の誓い」シリーズの中でも度重なるチャレンジを経て誕生しました。
エリザベスの造形は数年をかけて試み、なかなかうまくいきませんでした。
彼女のことをお客様が想い描いたり、次回作についてご感想をいただいたり…銀貨の誓いのイベントのたび、常にエリザベスのことが頭にありました。

今回エリザベスを初めてスーパードルフィーとして商品化するにあたり、「銀貨の誓い」序盤の若いころの彼女たちのストーリーが決定し、ようやく一つのイメージにまとまって、このエリザベスに行きつきました。

 彼女のいろいろな感情、さまざまな周囲の環境があり、ああそうか、船のように運命の間で揺れ動いている乙女なんだなあと。そういうところを造形に盛り込みました。
ウィリアムズとはDNAのつながりとしてはもちろん似ているけれど、あまりそれに振り回されないようにしました。

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─ エリザベスに採用された、新しい「SD13女の子」のハンドパーツやヒール脚パーツも話題になっています。

 とても可愛い形に仕上がったので、これから期待のお声をたくさんいただけると最高ですね。
衣装のサイズがあるので、もともとのSD13女の子のボディを大幅に変えることはできないのですが、少しずつ改良して扱いやすくすることが必要です。
膝の関節も改修し、Super Dollfie Graffiti (SDGr)など新しいボディの膝に近い形を取り入れました。造形だけでなく、機能的にも改良しています。

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 銀貨の誓いもSD13女の子もこれからもっと長く愛していただけるよう、少しずつアップデートを積み重ねています。
20年こうして続けてこられたのはすごいこと。 ウィリアムズにもエリザベスにも彼らを取り囲む社会があり、様々な出会いがあることでしょう。波乱万丈なストーリーですから。
その遥か彼方の大きな世界の広がりを、お客様と共有していくというところがストーリーをもったスーパードルフィーの面白さだと思います。

 昔、会長が「スーパードルフィーは成長するお人形だ」とコンセプトを定められたのですが、実際そうなっているということを実感しています。

 これまで銀貨の誓いとスーパードルフィーを愛してくださった皆様に、御礼を申し上げます。 これからもどうぞご期待ください。


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