リードキャラクターコンセプトアーティスト
生江 亜由美氏 スペシャルインタビュー
第一弾のドルフィードリーム(以下、DD)ヤ・シュトラに続き、再び実現した「ファイナルファンタジーXIV」(以下、FF14)と「ボークス」のコラボレーションは、アルフィノとアリゼーという2人のキャラクターの同時展開となった。
その監修には今回もFF14のリードキャラクターコンセプトアーティストである生江亜由美氏が携わっている。
そんな生江氏にDDアルフィノとDDアリゼーについてのインタビューを行った。
生江 亜由美
ファイナルファンタジーXI、XIIに携わり、FFXIVの立ち上げ時から配属。
リードキャラクターコンセプトアーティストとして数々のNPC、装備、武器などを手がける。
◆アルフィノとアリゼーのデザインコンセプトや、衣装へのこだわりを教えてください。
生江 亜由美氏(以下、生江):
アルフィノ衣装は賢者初代ジョブ専用装備のアルフィノ専用カラーになっています。
賢者初代ジョブ専用装備はコンセプトを「ドクター×科学者×魔法学者」として提案した衣装デザインになります。
『暁月のフィナーレ』では賢者は新ジョブの衣装でもあるため、複数の担当者との協議の中、理知的なイメージのアルフィノに一番似合いそうという事で、複数のアイディアの中から選ばれたデザインになります。
ドクターや科学者の白衣を連想させるIラインのシルエットをFF14の仕様の中で作るために、両サイドに大きなスリットを入れ、Iラインに近いシルエットを実現しました。
白衣をベースとしてSF的なデザインを取り入れるために、金属パーツを多く使った現実離れしたデザインですが、ボークスさんの高い技術力により再現していただきました。
アリゼーの衣装は、アリゼーの活発さを出せるように、ショートパンツのボディスーツとライダースジャケットを組み合わせています。
赤いグローブは、ラフイメージすり合わせの際に、シナリオ班から「アリゼーの闘魂を象徴している赤グローブが特にお気に入りです」という言葉をいただき、私としてもアリゼーの衣装のイメージが明確になったキーアイテムになっています。
今回ボークスさんに制作していただいたライダースジャケット・ボディスーツ・ロングブーツは、どのアイテムもカッティングがとても美しく、ドールサイズではより扱いにくいだろう革の素材にも関わらず、ボディラインにフィットしたフェティッシュなラインを高い精度で再現していただいています。
◆アルフィノとアリゼー、2人並行しての監修だったかと思いますが、キャラクター毎に意識された部分はありますでしょうか?
生江: 完全再現するフィギュアとはまた別でDDシリーズならではのかわいらしいバランスに、FF14のアルフィノとアリゼーを落とし込むという点において、ボークスさんと試行錯誤しながら作り上げました。
ベースとなるお顔に関してはアルフィノとアリゼーは双子なので骨格やパーツは同じなのですが、アルフィノの理知的な雰囲気、アリゼーの情熱の中にあるキュートさを、まつげや眉毛の微妙なニュアンスで違いを出しています。メイクの色味のほんのりとした違いなどアルフィノとアリゼーのどちらもお迎えされた方は是非見比べてみてください。
◆ヤ・シュトラにも大きな杖が付属していましたが、今回のアルフィノとアリゼーもそれぞれ特徴的な武器が付属しています。武器の監修でこだわった点などがありましたら教えてください。
生江: 今回のアルフィノとアリゼーの武器も細部まで作り込まれており、とても美しいラインの立体に仕上がっています。精巧に作り込まれて再現されているので、ゲーム画面に手を伸ばして取り出したような完成度です。
私が注目していただきたいのは、浮遊感を出すためにボークスさんオリジナルで作ってくださったパーツになります。
賢具の浮遊感を演出するオリジナルパーツ
ゲーム内ではアルフィノの背中に武器をセットする際には単純に浮いているのですが、現実世界では浮かすことは不可能なので、ボークスさんのご提案で背中に固定するパーツをオリジナルで作っていただいています。しかも角度調整可能なギミック付きです。
このパーツを今からゲーム内で取り付けたとしても違和感がないほどに、素晴らしく良くデザインされていて、感動しました。
前回のヤ・シュトラ制作の際にも感じましたが、こういったさりげないパーツにさえも滲み出るボークスさんの仕事の細やかさに、とても感銘を受けました。アルフィノをお迎えした際には是非見ていただきたいポイントになります。
◆完成したサンプルをご覧になっての感想をお願いいたします。
生江: ドール本体・衣装・武器、全てが揃って、アルフィノとアリゼーが並んだ姿は特に印象的で、ゲーム画面を飛び越えて目の前にしたような存在感がありました。
ヤ・シュトラに続きアルフィノとアリゼーをこんなに素敵な形で再現していただき、細部まで細やかに情熱をもって制作にあたってくれたボークスさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
◆最後に、皆さんへのメッセージをお願いいたします。
生江:
「人形に魂が宿る」という言葉がありますが、ボークスさんのドールにはそういった際立った存在感があります。
前回制作したヤ・シュトラに続き、今回のアルフィノとアリゼーもボークスさんのものづくりの情熱が詰まったドールに仕上がっています。
ボークスさんのドールには、写真では伝えきれない、対峙する事でしか味わえない感動があります。もしもお近くにアルフィノアリゼーのDDの展示があれば、お迎えするしないにかかわらず、ぜひ足を運んでみてください。
きっとアルフィノとアリゼーの存在をより身近に感じられるかと思います。